Blind
ふと見た空、夕闇に落ちていった嘆きの最期
手を掴めず何も知らぬまま 消え行く
気が付くのは両眼に焼き付ける無情の声
垂れ流される触れない笑みはただ 増えて行き
統計上減った数字
遠いほどに伝わらない
苦痛を消して残るものは一つ
歓喜の行列
苛立ちを叫べば一瞥される
到達するには絶えるしかない?
名前も知らない君が残した未来は
ブラインド越し 潰されてく
後追う傷、重ねられるは一時のざわめき
無関係と日常へ戻り 忘れ行く
誰しも痛みを抱く
計測出来ない痛みを
それでも剥き出す片隅の棘のワケ
傷口を広げた
誰かに向ける切っ先がまた
この心へも差し込んでく
素顔も知らない君のいない世界で
ブラインド越し 突き刺さる
苛立ちを叫べば一瞥される
到達するには絶えるしかない?
名前も知らない君の残した未来は
毒吐きで歪んだまま
減り行く命を補う数で
忘れられて行く涙は減らず
癒えない心の棘を引き抜く為に
ブラインドを今、閉じておこうか
消えない悲劇 後付く雑音
「共倒れで補う無様な節度」
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久しぶりに詩。
案は前からあったんですがどうも思いつかなくて。
テーマは「第三者の自殺と、それを嘲笑う他人たち」。
相変わらず報道され続ける自ら命を絶つ者。
赤の他人だからとそれを嘲笑う人々。
「死んで当然」?「社会のゴミが減った」?
誰しも痛みを抱えて日々を生きている。
けれど痛みを抱きながら他人の痛みを嗤うのか。
ヒトを嗤う事でしか己の傷を和らげる事が出来ない世界。
そんな世界にブラインドを閉じる。
自分偉そうな事言える立場じゃないですが。
でも人の苦しみを嘲笑っていいものなのだろうかと。
もしそれが自分の大切な人だったら?
それは決して無関係な出来事ではないんです。
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